トヨタ i-Roadプレビュー

5 3月

トヨタが小型EVトライクのコンセプトモデル”i-Road”を発表しました。何でも名前の頭にiを付けるセンスの陳腐さはさておき、前2輪のチルティングトライクは自分で企画したくらいなのでおすすめレイアウトなのです。ようやく大手メーカーも注目し始めたかと( ̄ー ̄)ニヤリ ただ、詳しく見ていくと突っ込みどころ満載でした。

レイアウト

i-Road

先ず写真の通り、リアタイヤが異様に小さい。フロント16インチに対してリア10インチだそうです。これじゃトラクション的に厳しいだろう、と思ってモータースペックを見ると2kW*2と書いてあります。何?2モーター!と言うことは前の2輪にモーターが仕込まれている、つまり前輪駆動のようです。

バイクやトライクとしては奇妙が駆動方式ですが、狙いはスペース効率だと思います。後輪駆動であれば、タイヤのグリップとしてもインホイールモーターのサイズとしてもある程度の大きさが必要ですが、それでは後席の空間が圧迫されます。それが前輪モーターなら、車体の外に出ているので大きめでも問題ないという事でしょう。

しかしこれ、ハンドリング的には如何なものでしょうか?リアタイヤは駆動力を負担しないとはいえ、グリップバランスが極端に前輪寄りなので、コーナリングやブレーキング時にリアがグリップを失ったりしないのでしょうか?

サスペンション

サスペンション形式は書いていませんが、フロントサスにアーム類は見当たりません。動き方から察するにピアジオMP3に近い2本フォーク式ではなかろうかと。

この形式だと、対地キャンバー=リーンアングルになりますが、モーターサイクル用タイヤなので対地キャンバー変化は問題無いでしょう。ただ、対地トレッドは傾けるに従い拡大してしまうので、サイドフォースによる抵抗が問題にならないのでしょうか?

ステアリング

見逃してしまいがちですが、もっと致命的な問題があります。それはこんなにホイールとボディーが密着してたら、ステアリングが切れない事です。プロモーション動画を見てみましょう。

これはどう見てもハメコミ合成ですね^_^; だから何とでも出来ます。実際はこんなにクイックに旋回できるとは限らないし、ギャップでの上下動ももっと多いでしょう。

ただ一点、気になる部分がありました。それは0:30付近で駐車スペースに停めるシーンがあるのですが、よく見ると後輪が逆操舵されています!つまりこれは後輪操舵!道理でちっちゃな後輪がしたに突き出すように生えてるんですね。

しかし後輪操舵って、フォークリフトと同じで小回りが効きますが、ヘタすると切れ込んでしまうので走安性的には疑問です。まあ、リーンアングルとセットで「アクティブリーン機構」なる電子制御なんでしょうけど。それではリーンする為に、貴重な電力を消耗してしまいます。それなら、ノンパワステの小型4輪の方がよほど電費が良いということになります。

その他・まとめ

i-road

上述のように、モーター出力はたった2kW*2=4kWです。定格出力でしょうけど、それにしても300kgの車体に対しては非力ですね。実際、最高速度は何と45km/h(;´д`)トホホ…これじゃ一般公道で乗ったら動くシケイン確定です。

車線を占有することなく道路端をスムーズに走行できる」とありますが、無理でしょう。普通のバイク以上に幅があるし、多分路肩なんて走らないでしょうから、普通のクルマと同じく1車線使ってしまう筈。よって、後ろのクルマが追い越しできずに渋滞を起こす可能性大です。

駐車スペースにしたって、街の駐輪スペースに置けるはずもなく、結局4輪の駐車場が必要でしょう。ビデオにあるような、このサイズ専用の駐車スペースが街に出来るとは思えません。というか貴重なスペースとお金をその為に使うべきなのか疑問です。

クローズドボディー風ですが、横はサイドバーだけで雨風はドライバーに当たるはず。だから4輪並に嵩張るのに、快適性は2輪並。価格だってこれを量産仕様にしても100万円近くするでしょう。悪いけど2輪と4輪の悪いとこ取りのような乗り物です。結局、超小型モビリティーの問題点に帰着するのです。

なんでもそうですが、中途半端なものは帯地短しタスキに長しに成りがちです。よってトライクは、前2輪のモーターサイクルか3輪自動車のどちらかにすべきだと考えます。前者は当然またがり式で、要ヘルメット、要2輪免許とすべきでしょう。キャノピーを付けても良いけど、サイズはMP3程度に抑えるべき。

後者は小さいけど4輪サイズなので要普通免許、要車庫証明とする。トレッドはもっと広く、リア駆動で走安重視。バスタブ型ボディー+ジェットファイター風キャノピーが良いでしょう。これはスペース効率では無く、走る楽しみを重視する方向で行きべきだと思います。

もっとも、幸か不幸かトヨタがこれを市販化する可能性はゼロに近いと思います。技術的には何でも出来るぞとか、社会貢献してますみたいなアピールはしたがりますが、市販化にはとても慎重です。トヨタという会社は、他社が成功したユニークな商品を真似して販売力で売る、というのが基本の勝ちパタンです(その意味ではHVは異例)。

だから、これに触発されて他社がチルティングトライクに参入してくる事に僕は期待します。特に「ないものを作る」と豪語してきたあの会社は、今こそ有言実行の時です。傾く乗り物についてはトヨタの比じゃない経験があるわけですし。グッドラック!

追伸

“i-road トヨタ”で検索しても、トヨタ広報のコピペのような記事しかありませんでしたが、ようやくそうでない記事を発見しました。と言っても、前輪リーン機構はストラット&シーソーアームなんて見れば大体分かるし、勿体付けるほど特別な機構でも無いでしょう。

一方、ステアリングシステムについては触れていません。皆、これがどうやって曲がるのか疑問に思わないのでしょうか?ただ、最後に貼り付けられた動画は、数少ない実車の走行映像でした。これを見るとやはり前輪は切れておらず、ドリフトしているかのような動きからしても後輪で操舵しているようです。

価格について「50-70万円が妥当だと言われているが、そのくらいが目標か?」と聞かれて、トヨタは「価格ありきではない」とはぐらかしています。おそらくその程度では収まらないのでしょう。「顧客ニーズとの兼ね合い」と言った時の顧客は、個人というより自治体や企業あたりを念頭に置いているかもしれません。

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