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EV vs ガソリン車 比較

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以前私のブログに書いた記事を修正して転載します。

エネルギー効率比較

バイクマニアの僕が言うのもなんですが、内燃機関って恐ろしく非効率なマシンなのです。

ガソリンエンジンの熱効率はたった20%程度です(ディーゼルエンジンでも30%程度)。つまり元のガソリンのエネルギーを100とすると、タイヤを駆動するのに使っているのは20で、残りの80は熱として外に捨てているのです。

原理的に内燃機関で高効率を目指すには、圧縮比を極限まで大きくしなければなりませんが、現在の技術でも1:12くらいがレギュラーガソリンの限界とされています。100年間も改良を続けてきてもこれですから、もう殆ど改良の余地は無いでしょう。

一方、電気モーターのエネルギー効率は90%もあります。

では、クルマ全体のエネルギー効率を比較するとどうなるか?i-MiEVのプロモーションビデオ(今は無い!)から抜き出すと次のようになるそうです。

  • ガソリン車:エンジン17.7% x 駆動系92.0%=計16.3%
  • EV:充電効率90.0% x 電池充・放電76.8% x コントローラ96.0% x モーター91.0% x 駆動系92.0%=計55.5%

EVは電池周りで多少ロスがあるものの、ガソリン車に比べて3.5倍も高効率なのです。

しかも、ガソリン車の数値は最も効率が良い回転域でのものですから、実際の運転モードではもっと効率は落ちるでしょう。

また、電気モーターには回生ブレーキがありますから(上の数値には多分含まれていない)、ガソリン車ではブレーキローターから熱として捨てるだけだったエネルギーを、再利用することが出来ます。

理想のトルク特性

自転車を漕ぐと判るように、スタート直後は大きな力(トルク)が必要で、加速するにつれペダルが軽くなって今度は速く回す必要が出てきます。

ここで、変速機の無いマシンを一定の加速度で加速させたい場合のトルク特性を考えてみます。

パワー(仕事率)=トルク*回転数∝重量*加速度

ですが、今は加速度は一定で重量も一定なので

トルク*回転数=定数

となります。つまり、トルクと回転数は反比例するのです。これをグラフにすると右図のようになります。

モーターvsエンジン トルク特性比較

では、モーターと内燃機関のトルク特性はどうなっているでしょう?

電気モーターは原理的にほぼトルクと回転数が反比例するトルク特性です(下図)。だから変速機無しでそのまま乗り物に使えるのです。

一方、内燃機関はご存知のように、ある回転数をピークにした山形の曲線であり、使える回転数の範囲も限られています。車のカタログで走行曲線というのを見たことがあると思いますが、変速機を介することで擬似的に上の反比例グラフに近づけているのです(下図)。

内燃機関の加速はグワッとトルクが盛り上がったと思ったら、シフトアップでカクンと落ちるという、ギザギザのトルク曲線になります。低いギアの時ほどそれが顕著です。

ちなみに、これを回避するにはCVTしかありませんが、CVTは摩擦抵抗とトルク伝達ロスが大きいのが欠点です。 また、エンジン回転が一定で速度だけが上がるような設定にすると、ドライバーにとっては違和感があるので、結局一定範囲内ではギア比は固定するという、従来のミッションと似た制御にしています。

このように、内燃機関は使える(効率がよく、トルクもある)回転数が限られており、実は加減速に向いていないパワーソースと言えます。

バッテリーの発達とEVの普及

では、何故今まで内燃機関自動車が栄えて、理想的な電気自動車が普及しなかったのでしょうか?

それはひとえに電池のエネルギー密度が低かったからです。平たく言うと、巨大な電池を積んでも少しの距離しか走れなかったからです。

一方、ガソリンのエネルギー密度は非常に高く、このような優秀な燃料が安価で供給されたことが、自動車の発展を支えました。

しかし今は、ガソリン価格が時々高騰する反面、バッテリーのエネルギー密度は伸びてきています。i-Mievのようにサイズ的にも重量的にも軽自動車に収まるサイズの電池で、近距離なら実用に耐えうるEVが登場しだしました。

しかし一番のネックは電池の値段ですね。グロスで400万円超のi-Mievの価格の約半分は電池の値段だと思います。

COMMENTS (6)
さすがにお詳しい!
1 2009年 7月 02日(木曜日) 10:01
WOODS
全くその通りです。
ただ「EVはガソリン自動車の代わりにはならない」と思っていたほうが良いと思います。私も15年ほどEVとかかわってきましたが、どんなにバッテリーが良くなろうとも、EVにガソリン自動車の代わりはできないという結論に達しました。

「EVは今までにない乗り物で、ガソリン車と較べると不便だけれど、誰でも作ることができるあなた専用の『贅沢な乗り物』である」

いまや、スーツも安売りの「吊るし」物が全盛となってしまいました。オーダーメイドが敬遠されてしまうようでは「EVコンバート業者」は成り立たないでしょうね…残念です。

自分で作る方のためのガレージくらいならできるかな?
恐縮です(^^;
2 2009年 7月 02日(木曜日) 13:55
管理人タイチ
早速コメントいただきありがとうございます。
ただ、私が判るのはガソリン車の方で、EVや電気回路のことは全くの素人です。

そこでお尋ねしたいのは「どんなにバッテリーが良くなろうとも、EVにガソリン自動車の代わりはできない」というのは何故でしょうか?

EVでネックになるのはバッテリーの価格とエネルギー密度くらいしか思い当たりません。それさえクリアできれば内燃機関車に代りEVが市場を席巻するだろうと、政府も民間企業も見ていると思うのですが。
色々なサイトでも指摘されているのですが・・・
3 2009年 7月 03日(金曜日) 12:07
WOODS
まずは、バッテリーのエネルギー密度の問題。重量比でも体積比でも「石油」とは現段階で2桁ほど違う。今後、革命的な電気貯蔵装置(たとえば水素の電子を自由電子として蓄える装置とか?)ができれば別ですが、、、

2つ目にエネルギーの供給。現在の『自動車』の構造や使い方を、大きくは変えないと仮定すると、1km移動する(ガソリンなら100cc程度の量)のに50~150Whのエネルギーが必要です。100km(高速で1時間)移動するためのエネルギーは5000~15000Wh。200Vの電源で30分(SAPAで潰せる時間の限界)充電するとして50A~150Aの電流を流し続けなければなりません(充電効率100%として…)。それも、ガソリン車と違うのは、全員が充電しなければならないということ…。
少し乱暴な言い方をすると、各SAPAには、発電所を設置しなければなりません。

今ある自動車の使い方は、「『内燃機関』であるから成り立っている」ことを忘れてはいけません。そういう意味で「EVは新しい乗物」と考えるべきなのです。

と、堅い話になってしまいましたが、それだけに「EV文化」ともいえるような新たな発想ができることは、楽しいではありませんか。「無限の可能性がある」のですから!
エネルギー密度
4 2009年 7月 03日(金曜日) 17:46
管理人タイチ
これはエントリーに書いたほうが良いかも知れませんが・・・

ガソリン:12,722Wh/kg
リチウムイオン電池:200Wh/kg
(参考:http://www.baysun.net/lithium/lithium03.html)
として、その比は約64倍。

上記のように、EVはガソリン車の約3.5倍高効率なので、18倍の開きになります。
あとは回生ブレーキの効果ですが、仮に50%燃費が伸びるとしたら、12倍になります。

さらに、740Wh/kgの電池を開発中なんて話が2年前にあったくらいです。
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20340381,00.htm
これが出来たらさらに4倍向上して、ガソリンとの比は3倍!充分実用的な値が近い将来実現すると思います。

充電の問題も今後インフラ整備が進むと思います。
ただ、1日に何100kmも高速で移動するという発想はガソリン車時代のもので、EVにはそぐわないかもしれませんね。
そんなに遠くへ行きたい時は公共交通機関を使ってねと(^^
情報が古かった(^_^;)
5 2009年 7月 03日(金曜日) 19:42
WOODS
すみませんm(__)m
NiMH(100Wh/kg)で計算していました。

古い情報ついでに…7/2の日刊自動車新聞に載っていましたが、豊田佐吉は100PSで36時間、重さ225kgのバッテリーを作ろうとしていたそうです。およそ12000Wh/kg。70年前にガソリンと同じエネルギー密度を目指していたとは。佐吉翁恐るべし(笑)
バッテリーの夢
6 2009年 7月 04日(土曜日) 18:51
管理人タイチ
なるほど、これですっきりしました。
まあ、最新の高性能リチウムイオン電池を個人が買えるかどうかは別の問題ですけどね。

佐吉爺がそんなことを・・・当時の技術レベルからするとあまりに無謀というか、深く考えていないと思います(^^;
ただ、70年前から企業が本気で研究していたら、今頃12000Wh/kgのバッテリーが市販されていたかもしれませんね。

ある意味、戦後の中東原油の安定供給が、電池の発展を不要にしたといえるかも。
動力源や発電機としての内燃機関さえあれば、そんなに大容量の電池が必要なケースってないですからね。
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