クルマ未来博2011レポート

24 11月

 一般公開日

愛・地球博公園

翌日はどんより曇って、天気予報通り午後から降りそうな空模様でした。豊田市駅を出発すると、直ぐに田園と丘陵が広がる景色になります。寝坊して10時近かったので乗客も疎ら、もっともこの路線にラッシュアワーというのがあるかどうかは不明ですが。

リニモに乗り換えてしばらくすると、愛・地球博を上から眺める景色になります。本当に穏やかな森の中です。

会場に到着すると、入り口付近の通路のような所にパイロンを立てて、バギー関係の試乗会が始まっていました。広い会場なのにココで態々試乗会?

先ずは昨日の展示広場に行って、NOMELの皆さんにご挨拶。もほどほどに、雨が降る前に可能な限り試乗するぞという意気込みで、試乗会場を回りました。

原付試乗コーナー

ここだけは、免許が必要なせいか順番待ちの列が殆ど無く、申し込みをして直ぐに乗れます。

ただ、ヘルメットとグローブは良いとして、肘と膝にプロテクタを付けさせられたのには辟易しました。やっと装着が完了したと思ったら、試乗コースが短いので30秒位で戻ってきちゃいます。広い会場、まだまだスペースに余裕があるのに、何故もっと長いコースにしないんでしょう?

同じ2輪でも後述の電動アシスト自転車はヘルメットだけでOK。速度はどちらも20km/hほどに制限されているのに、何故原付というだけでプロテクタなのかと。この博覧会のルールだそうですが、一体誰が決めたのやら。

Denba70

DenbaNomelの中薗さんが受付にいましたが、昨日乗ったので、とりあえず別の一番早そうなマシンに申し込みました。

出たしのトルクが強烈で、見てる周りの人が「おぉ!」とびっくりするほど、唐突に飛び出します。係の人に「これはかなり強烈ですね。パワーモードとかあるんですか?」と聞いたけどないとのこと。ただ、一旦走りだすと急速に穏やかになり、リミッターが効いたように直ぐに加速しなくなります。

数十秒の試乗から戻って、係の人にそれを伝えると「あっ、これLowでした。申し遅れてスミマセン」と!僕もその時初めて気づきましたが、実はこれ昨日の常盤産業のマシンだったのです。乗る前に車種を確認しない僕も悪いけど、もっと早く言ってよ!お陰で、ガッツン変速を体感しそこねました。

おかげですカーEJ50

筑水キャスコムお次は4輪だからミニカーか?と思いきや何故か原付扱い。車幅の問題でしょうか?

ただこれは、2輪のように転倒しないと判断されたのか、プロテクタを付けなくて良いのが助かります。

発進加速にもたつきはありません。ここでは20km/hでリミッタが効くモードになっているのらしく、直ぐに加速しなくなりますが、モードを切り替えたらもっと速くなるようです。200kgもある車体を600Wのモータで駆動しているとはとても思えない動力性能ですねw

おかげですかーただ、アクセルセッティングが独特で、係の人に「アクセルを全閉にすると止まってしまうので、ちょい開けにしてコーナーを回ってください」と事前に言われていましたが、実際に走ると何時もの癖でついつい全閉にして止まってしまいました。

何故このような設定にしているかというと、老人はとっさの時にブレーキを握れない事が多いので、手放し状態で止まれるようにしたそうです。

ただ、シニアカーに慣れてる本当の老人ならそれで良いですが、普段バイクやクルマに乗ってる人にはこの設定は違和感が大きいです。逆にこれに慣れてしまうと、普通のバイクは危険です。

因みにこの会社も、オフィシャルサイトにこの製品が載ってません。他の作業用車両はちゃんと載ってるんですけど・・・

AT-ES1

ATES1販売元のオフィシャルサイトは立派ですが、写真のバイクは中華風というより中華そのものと言った感じ。

ただ、現物を見ると、これはこれでありなんじゃないかと。巨大でド派手なテールランプや、至る所にエッジが入ったデザインは、現在のグローバルカーのデザイン傾向と似ていなくもない。

勿論センスが良いとは言いがたいですが、他社の電動スクーターも多かれ少なけれ中華を感じるので、それならいっその事中華三昧と割りきるのもアリかなと。

さて、乗った感じは、少なくともこの狭い試乗コースにおいては、パワー不足やハンドリング上の問題は感じませんでした。昨日のNOMELのマシンと同等の動力性能だと感じました。

その他の試乗コーナー

FIT Selfi

FIT-Robottoという、どうやらマイコン関連企業が出展したこの乗り物。どう見てもセグウェイじゃないかとw 特許的には大丈夫なんでしょうか?

申込書に記入して、試乗チケットをもらい、結果的に1.5時間後位に試乗できました。しかし、申込者が何百人も居るのに、何故かチケットの通し番号が1から100までしか無く、100まで行くとまた1に戻ります。それを何セットか流通させてしまったようで、何時の回のチケットが判らなくなり「私の方が先に来てるのに飛ばされた」と言って、僕の前に割り込んでしまいました。

受付の女の子も要領を得ないというか気が弱い感じだし、周りのスタッフも気づかないのか誰も助けません。

selfi

そんなこんなで、ようやく試乗の番が回って来ました。試乗者一人につき一人のインストラクターが付きます。本家セグウェイと同じく、重心移動で前進するのですが、ひとことで言うと非常に難しい、そして怖い!原付スクーターより、こちらの方がよっぽど肘/膝パットが必要だと思いました。

前に倒れこみそうになると、どうしても自分で修正しようとしてギクシャクした動きになります。倒れる前に、マシンが自動的に前進するので「自分でバランスを取ろうとしないで」というのですが、それは本能的に無理です(^^

また、方向転換は足元から伸びるハンドルバーを根元から左右に傾けるのですが、これがまた2輪車の感覚だと逆に操舵してしまいます。

というのも、2輪車で低速ターンをする場合、上体を捻ってハンドルを切る訳ですが、その際コーナ外側のグリップは前に突き出し体から離れます。その動きはこのセグウェイでいうと、バーを外に倒す動作に近いのです。だから、行きたい方向と逆に進んでしまい焦りました。

一往復して「もう一回行きますか?」と言われましたが、臆病にも遠慮しときました。フクラハギの筋肉がつりそうだし、もう一度やって上達してる可能性よりも、失態を犯す可能性の方が高い気がしました。兎に角、この日一番どころか、僕の試乗経験の中でも最もスリリングな乗り物でした。

epovelo

エポ昨日の懇親会でお話しした、電動アシストミニヴェロです。

しかし、ここでも先ず、試乗オペレーションについてひとこと言わざるを得ません。受付/試乗説明含めて、スタッフが1人しかいないのです。

その人は、通常試乗のスタート地点でバイクの説明をしているので、受付には誰も居ません。勝手に申込書に書いて試乗券をもらいましたが、見てるとどうも試乗前に試乗券をチェックしていません。

なので僕が「今何番ですか?」と尋ねると、その番号は僕の番号より進んでいます。「僕のがもっと先ですけど」と券を見せると、並んでた他の人も4-5人「私も何番ですが」と詰め寄る始末。すると「すみません~」と言ってその時は番号通り並びましたが、試乗後に見るとやはり試乗券をチェックしてません。こりゃもうわざと無視してますね。

並んだ順で試乗するならそれでも良いので、ちゃんとそのように案内すべきです。勝手にやり方を変えられないのかもしれませんが、それなら1人ではどう考えても無理でしょと。正午前位から応援のスタッフが来て、2人ほどに増えましたが、遅いっちゅうねん。

前置きが長くなりましたが、乗った感じは先ず、フルサスにしては乗り心地が堅いです。調整できるのかも含め良くわかりません。フレームの剛性感や、軽さは流石にママチャリベースとは違います。だからガンガン加速したいところですが、当然ながら20km/hでアシストが途切れます。このへんは高級アシスト自転車のジレンマですね。

試乗して戻ってくるとその女性スタッフが「すごく乗り慣れていらっしゃいますね。いかがでした?」などと気さくに声をかけてくれるのですが、後ろで何人も待ってるのにそこで立ち話をするわけにいきません。なので「ええまあ。サスが意外と固かったですね。」などと手短に済ませました。なんでこっちが気を使わなきゃいけないのでしょう(^^;

4輪その他

同乗試乗

卑弥呼EV卑弥呼EV4輪EVには最も広い試乗コースが用意されていますが、残念ながら自分では運転できません。オーナードライバーの横に同乗するだけです。

車種はEV卑弥呼とみちのくのバギーです。卑弥呼はともかく、みちのくバギーは運転してみたかったなあ。

ミニキャブMiEV

ミニキャブEVミニキャブ車内市販が開始された電動ミニキャブ。元々リアエンジンでフロアにバッテリーを敷き詰められる軽トラレイアウト。iMiEVと同様にEV化に適したベース車両を選んで来るのが三菱の良いところ。

しかも、補助金もらったらたしか170万円という安さ。そしてEVに最適なデリバリー用として企業に販売するという堅実さ。31万円もする原付電スクと違い、売る気が伺えます。

しかし、中を見ると本当に軽バンそのものの安っぽさでした。フロアのシートなんて自分で張ったんかいなと。インバネはミニキャブと全く同じで、メーター部分だけiMiEVのものをそのままぶち込んでいます。業務用はこれで良いとしても、一般向けにもうちょいマシな内装のグレード(ただし価格差は10万円以内)を出すべきかと。

まとめ、感想など

クルマ未来博の運営について

残念ながら、公開日は天気予報どおり午後過ぎから雨で、イベントが終わったかのようにお客さんが居なくなってしまいました。それでも、室内での展示ではなく、広々とした野外で車を見たり乗ったりするという企画は悪く無いと思います。

試乗コーナーをあちこちに設けたのも良いですが、夫々のコースが余りにも短いのが残念でした。あれだけスペースに余裕があるのだから、50km/hくらい出せて、上り坂も試せるようにして欲しかったです。肘・膝パットと言い、事故があった時のクレームを気にしすぎなのか。子供向けの乗り物はともかく、免許保持者が乗るマシンは自己責任でいかないと。

また上述のように、試乗オペレーションが余りにも稚拙でした。バイクメーカの試乗会のように、慣れたスタッフがサクサクさばくのは無理としても、もうちょっと事前の検証で何とかなりそうなものです。

それと、一応「屋内展示スペース」もあったのですが、外との仕切りが無いので、外と同じくらい寒かったです。ドームの中は行ってないので、あそこに入ればよかったかな。他にこの公園内の屋内スペースは・・・スケートリンクの棟位しか無いか?

電動スクーターについて

上述の通り、まともに試乗は出来ませんでしたが、出足に関してはどのマシンも十分な力がありました。喩えるとEC-03と同程度かな。ただ、精々30km/hほどしか出していないので、それ以上の速度域での加速及び、最高速は不明です。

スクータータイプのものは大抵80kg以上あり、これをまともに走らせようと思えば1kW程度では当然足りないわけで、最近のものはどれも最大2kWほどでるようです。予想通り、定格600Wという決まりが有名無実化してますね(^^ ユーザーとしては歓迎ですが、これ以上パワー競争が加熱すると、警察が裁量的に取り締まって来るかも知れません。やはりマトモな規制に改正して、公明正大に競争すべきでしょう。

ハンドリングに関しては、重い鉛電池を低い位置にマウントしているせいか、低速ターンでふらつくようなマシンはありませんでした。ただ、サスペンションのグレードは中華なりといった感じで、ストローク感が無くギャップでの突き上げを予感させるものです。

まあ全般的に皆似た乗り味なのは、中国製のコンポーネントを使いパッケージングもほぼ同じなら当然かも知れません。おまけにスタイルも皆似たり寄ったり(個性的なのはちょっと下品)とくれば、消費者にとっては判別不能。喩えて言えば、一時期のiPod以外の携帯音楽プレーヤーみたいです。これではヒット作は生まれないでしょう。

EV業界展望

小林さんの紹介で、Nomel製品を作ってる中国メーカーの方(日本人)とお話する機会を得ました。中国でモノを作るのも色々と苦労が多いようですね。しかしそんなに問題ばかりなら、どこか別の国(タイとかベトナムとか)で作ったら良いのでは?と思うのですが、それはそれで問題があるようで。

中国国内には1000社以上のEVバイクメーカーがあるようで、企業淘汰がまだ進んでいないようです。恐らく、「モーターならここ」みたいな定番ブランドも確立されず、その割にはどれも何となく似ていて、正に群雄割拠みたいです。

そう言えば、自作EVマニアでは定番のKellyコントローラや、鉄電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)すら知らないEV関係者が結構居たのが驚きでした。方や、池戸溶接の人なんて、鉄電池はもはや当たり前、次は「イットリウムを使った電池が凄いらしい」みたいな話が出るくらいです。このように、人によって知識に偏りがある、というのが今回の発見でした。やはりそれだけカオスという事でしょうか。

EVビジネス環境ついて

本職は別にある企業が、試作EVを出品する事が多いですが、ビジネス的にどう展開していこうとしているのか良くわからないケースが殆どです。また既に販売していても、手作り的な高額商品を少量売って、採算が合うんでしょうか?商売抜きの環境PRと言っても、中小零細企業にそんな余裕があるとも思えませんし。

今回のイベントに限らず、大阪発EVコンソーシアムなどの勉強会・展示会の類は大抵大盛況です。しかし、夫々の企業が何を思って参加しているのか僕には良く判りません。上司から「時代はエコ/EVらしいから、とりあえずお前行って話聞いてこい」みたいな感じで出席してるのでしょうか?(^^

日本の場合、会社という組織が先ずありきで、「戦略が組織に従う」に成りがちです。「従来事業の売上げが縮小してるから、何か別の事を考えよう」という発想になります。すると、個々の中小企業が夫々に技術開発を行うので、資金も足りないし効率も悪い。

これは、新規事業だけでなく従来事業でもそうですが、業界再編がもっと必要だと思います。やはり「組織は戦略に従う」が正攻法であり、欧米(というより米英)的に、先ず事業を企画して資金を市場から募るとか、企業買収によって技術を買うというシステムが確立していないと辛いですね。インベーションが必要な時代は特にそう思います。

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